空







































ジェームスワットの蒸気機関




base

 ■ 作成の過程 : 奮闘記

 1.
  まず、一番難しい、シリンダーとピストンの作成についてですが、
  お金を掛けないで作りたかったので、100円で買えるペットボトルを利用することを
  考えました。

pet_bottle

  一見よさそうでしたが、円筒形の直径が場所により微妙に異なることが分かり
  使えないことがわかりました。

 2.
  このため、高価ですが精度の高いアクリルの円筒を使うことにしました。
  アクリルの円筒を傾かないで直角に切るために、私は紙を巻き付けて切断する箇所を決めました。

cylinder

 3.
  ピストンはシリンダー内に入る大きさの円盤状の木のパーツ(既製品)を探して、
  その周りに「しきいすべり」という滑るテープを巻いて滑りを良くしました。
  シリンダー内に丁度良いサイズで入るようにセロテープを何巻かして微調整しました。

piston

 4.
  ピストンとシリンダーは、何とか作れることが分かったので、次にやることとして、圧縮空気の
  用意をしなければなりません。
  お金をかければ、数万円のコンプレッサーを購入すれば、それで解決ですが・・・

  自転車の空気を入れるしくみで代用できないかを考えました。
  昔パンクしたタイヤのチューブが捨てないで残っていたので、早速、そのチューブの空気を
  入れる金属の部品(入れた空気が外に出ないようにする部品)だけをゴムを切って分離して
  取り出しました。
  そして、それを5mm径の金属パイプとエポキシ系充填タイプの接着剤で結合しました。
  これにて、空気をいれるパーツが完成しました。以下の写真のものです。

valve1

valve2

 5.
  これで空気を入れる仕組みはできましたが、
  今度は圧縮した空気をどこに溜めるかを考えることになりました。
  丈夫な風船やボールなどを考えましたが、水を保管するためのポリタンクに溜めることに
  しました。

  このためには、ポリタンクに空気の注入口を取り付ける必要があります。
  ポリタンクのキャップに5mm径の金属パイプを充填タイプの接着剤で結合するようにして、
  注入口を設けました。以下の写真のものです。

cap1

cap2


  以下は圧縮空気を溜めるポリタンクです。10リットルと20リットルの2連で
  合計30リットルになります。2000円位で出来ました。

tank

 6.
  作成を始めてから、一週間位して以下のようなピストンと弾み車が接続された基本構造が
  完成しました。

  吸気、排気を制御する仕組みはこれから作っていきます。

base

 7.
  吸気、排気を制御する仕組みは、①と②で構成されます。

  ①回転盤の角度により、ピストンの上下の位置を検知するセンサー。
  ②センサーから発せられた電圧によってモーターを回して、圧縮空気の弁の開閉をします。

base

 8.
  回転盤の角度を検知するセンサー

  このセンサーは、以下のような円筒形の表面にアルミのテープを
  貼っています。貼っているところと、貼っていないところを作り、電気が流れて欲しいところ
  はアルミを貼るようにしました。
  そして、柔軟な素材にアルミテープを貼ったものを別に作り、それを円筒形の表面に擦りつけて
  両方のアルミが接したときに電気が導通するようにしています。
  これにより、ピストンの上下の位置により弁を開け閉めする電圧を必要なときにモーターへ与える
  ことが出来るようにしています。

sense

 9.
  モーターによる弁の開閉の装置

  タミヤ製のギヤーボックスの力を使い、ゴムの管を潰し、空気の流れを開閉する機構です。
  モーターは充電型ニッケル水素電池2個(2.6ボルト)で動かしています。
  ※どんな電池でも構いません。

  モーターの動作中は、弁の開閉動作が終わっても状態をキープするために、モーターの回転が
  停止していても電圧をかけているので発熱をします。1分を超えてくると手で触れないくらいに
  熱くなり危険です。
  このようにならないようにするには、ウォームギヤー方式のギヤーボックスに変更することにより、
  モーターを停止しても、ギヤーが固定されるので状態が維持でき、
  弁の開閉動作が終わったら、電圧をかけないようにすることができるので良いと思います。
  今回は、機構を超簡単に作りたかったので、このような発熱の問題を起こします。

valve_motor

gear

 10.
  圧縮空気の配管

  以上で各部の機構は出来てきました。
  後は、圧縮空気の管を配管して終りです。管は内径4mmを使用しました。
  配管は以下のようになります。

tube

 11.
  組立完了後の動作テスト

  電線の配線も終わりましたので、電源をオンにして、圧縮空気を注入すれば動くはずです。

  ここまでで、作り始めてから3週間位かかったでしょうか、ようやく形になりました。
  各部の動作については、裏付けはなく感覚的な仕様で考えて作りましたので、自信はありません
  でした。
  特に、下図のBのような角度に回転盤がなると、ピストンの動く方向が変わるところなので、
  ピストンからの力はゼロになります。このため回転盤が弾み車の動きをしないと停止してしまい
  ます。
  このためには、回転盤を動かすためのクランクと呼ばれる部分の作り方が重要になります。
  クランクは回転盤を動かす腕のことで、盤の中心からの腕の長さを長くすると弾み車の性質が
  なくなってしまいます。逆に腕を短くすると弾み車の性質が強くなりますが、回転盤を回転させる
  ための力が沢山必要になります。

  この他に色々な心配がありましたが、思い切って圧縮空気を入れたところ動き出しました。

figure


  以上で、約1か月をかけて完成しました。

  作成にかかった費用は1万円を少し超えました。





もどる